JOURNAL du Mini-z & ★☆M

ミニッツカップファイナリストの備忘録ブログ。

ドライビングとメンタルコントロール

カップになみなみと注がれた珈琲をこぼさずに運ぼうと思うほど手が震えてしまい、かえってこぼしてしまったりすることがあります。針に糸を通そうとするときもしかり。

なぜそんなときに限って手が震えてしまうのか、その理由は脳の身体コントロールの構造によるものです。珈琲を運ぶ、という場合、脳は「珈琲を運ぶ」という動作と「こぼさずに(正確に)」という指令を別系統で身体に出すそうです(デュアルタスクといいます)。このバランスが取れている場合は身体がスムーズに動くのだそうですが、大切なお客さまだったり、相手が素敵な方だったりすると、所作をきれいにしたい、素敵なひとだと思ってもらいたい、失敗できない、というプレッシャーが脳の指令のバランスを崩し「こばさずに(正確に)」という指令を強くしてしまい、結果的には「珈琲を運ぶ」という動作ができなくなるのだそうです。こうならないためには「失敗してはいけない」という考え方ではなく「運べばよいのだ」と考えることで動作を正確に行えるようになるとのこと(もちろんその精度や結果には個人差がありますが)。

これはどんな行動にも置き換えられるので、ミニッツのドライビングにも当てはめることができるわけです。前走のマシンに追いつかなければいけない、とか後ろの車を離さなければならない、という意識で走ると、ラインを走る、という基本的なドライビングがおろそかになり、結果ミスに繋がってしまうということになります。マシンがラインを走っていればそのマシンのポテンシャルは最大限発揮されているわけで、抜くのも離すのも、それ以上のドライビングを求める必要はないのです。

その医学博士は、おおらかな気持ちでものごとに取り組むと不要な失敗をしなくなる、とまとめていました。日本人お得意の精神論的な話ではありますが、医学的な実験結果に基づく興味深い話題でした。たのしくおおらかに走りましょう!