プロポのフィッティング
スロットル・ステアリングというクルマのコントロールの大切な要素を司るRCの大切なパーツのひとつ、プロポ。
実車でも着座位置に始まり、ペダル配置やステアリング、シフト、ハンドブレーキなど、その配置や素材、フィーリングなどに気を遣われる方も多いと思います。プロポは実車におけるそのようなコントロール系統が集約されたアイテムで、フィッティングすることで、よりよいドライビング、タイム、レースリザルトに結び付けられるようになることもあります。
その中でも、この記事では特にグリップとスロットル・ステアリングのフィッティングに関して記載します。
そもそも、フィッティングが必要な主な理由ですが、
+手の大きさ、指の長さに合わせる
+指の筋力、握力に合わせる
+フィーリングとの一致
です。ディフォルトのプロポ設定はユーザーの一般的な体型・筋力・操作感覚などに合わせていますので、基本的には問題なく使えるものになっています。それでもフィッティングをすることで改善できる要素があることも事実です。
同じクルマを同じプロポでスロットルレバーのスプリングレートのみを変更してタイムを計測したところ、タイムに違いが出ました(この時の計測では10%の差)。これはスロットルのパーシャル(中間)域をうまく使えているかどうかがタイムに表れた結果です。
これはすべてのドライバーにそれぞれの答えがあります。タイムを計測したりミス率をカウントすることでよりよいフィッティングができることは間違いないので、ぜひ試しながらベストを探して頂きたいと思います。
グリップは握り込んだときのフィーリングと疲労感に影響します。KOの場合、ノーマルグリップとラージグリップが選択できます。テニスラケットなどのグリップ用テープで調整されている方もおられます。スロットルトリガーとの位置関係も変わってきますので、スロットルトリガーの調整前にフィッティングしておくことをおすすめします。
ステアリングは
+ステアリングの素材
+外径
+スプリングレート
などを調整します。
ステアリングの素材はスポンジが一般的です。スポンジには硬さやしっとり感(触り心地)の違うものがあります。また、シリコン製のものなどもあります。両面テープで確実に固定します。
外径はステアリングホイールそのものを変えることで変更する場合と、スポンジで変更する場合があります。外径を小さくするほどクイックな印象が強くなります。同じ外径でもスポンジが厚ければ握り込むことで実際は更に小さい外径になりますし、ホイールの樹脂・金属部分に触れにくいため、冷たさなどを感じるストレスが緩和されます。逆にスポンジの柔らかさでレスポンスが曖昧に感じられるという理由で扁平率を下げられる方もおられます。
スプリングレートを下げるとパーシャル(中間)域を無駄な力を入れずに保持できるメリットがありますが、ニュートラルが分かりにくくなるなどデメリットもあります。一般的にソフトにするほど再現性が高くなる一方で難易度が上がります。
自身のプロポはバックスキンにリザードのレザーを張った革巻きのステアリングです。親指の位置にマーカーを入れています。
スロットルは
+ニュートラル位置
+ブレーキ側トリガー位置
+スプリングレート
などの調整項目があります。
ニュートラル位置は指の長さや握り込みに合わせて調整します。
ブレーキトリガー位置はトリガーの握り込み具合や指の太さに合わせてクリアランスや位置を調整します。
スプリングレートはステアリング同様レートを下げるとパーシャル(中間)域を無駄な力を入れずに保持できるメリットがありますが、微調整ができないうちはニュートラルに戻せない、ブレーキ側に入ってしまうなとのデメリットがあります。
上写真のプロポは指先でスロットルトリガーに触れる自身のスタイルに合わせてブレーキングで指が抜けることを防ぐためのトリガー位置になっています。
上記のフィッティング項目はエントリーモデルでは調整がしにくい・できない場合もあります。だからといってエントリーモデルがまったく使えないものだというわけではありません。むしろ一般的に使いやすい仕様になっていますので、自分にはこれが必要だと感じるまではエントリーモデルのディフォルトをお使い頂くことも大切なことと思います。
マシンセッティングもそうですが、だんだんとツールやアイテムが自分らしくなるというのはホビーの醍醐味です。ぜひご自身らしいプロポを作り上げて頂きたいと思います。