JOURNAL du Mini-z & ★☆M

ミニッツカップファイナリストの備忘録ブログ。

R246-1341/1342:インディビジュアルオイルダンパー

【効果】

説明書には効果・目的は記載されていません。

【説明】
リリースからはや幾年。このパーツによりフロントが左右独立オイルダンパーによるサスペンション構成となるため期待感が強かったアイテムでしたが、ワイドはCカーでの使用が不可能、また装着にアッパーカバーの加工が必要なことや、ポン着けでの走行が難しいパーツのため使用率の低いアイテムとなってしまいました。

このパーツの特徴は
・左右独立のオイルダンパー
・スタビライザー
キャンバー設定
です。

オイルダンパー:アルミ切削のケースですがダイヤフラムはありません。説明書ではシリコンオイルを入れてくださいとの記載がありますが、これをダイヤフラム式として使用するのかエアレーションとして使用するかは記載されていません。はじめ#200のオイルでダイヤフラム式の組み方をしましたが、コンディションの安定感がないため、堅めのオイルでエアレーションとして組む(というかシリンダーとOリングがどの番手のオイルによって摩擦しているか、というフリクションダンパーとして考える)ほうが好印象です。これは、ダイヤフラム式として考えた場合オイル漏れがあり安定感を欠くのと、エアレーションとして考えた場合ケースが下側に来るよう設計されているためにケース内のオイルにシリンダーが接触するまでにタイムラグが発生し、効果が安定的でないという理由によります。

スタビライザー:説明図どおりの組み方からスタビライザーのみを抜いて走行すると直進安定性に欠けます。設計時にバランス取りをどこまで行っていたか分かりませんが、スタビライザーは少なからず直進安定性に寄与しています。最終的にはバランスになりますので一概に有無を決めることはできませんが、装着した状態からセッティングすることをおすすめします。

キャンバー設定:説明図にもポジティヴキャンバーになるよう設計されており、セッティングにはキャンバーナックルを使用するよう記載があります。ナロー系は0°のナックルを使用し若干のポジティヴキャンバーになるようセッティングすることがありますが、このセットの場合よりも強いポジティヴキャンバーになりますので、キャンバーナックルもしくはシムによる調整が必要な場合があります。

組み方のポイントですが上記オイルダンパーのほか、

・アッパーアームの後ろ側のクリアランス確保
・キングピンの動きにスムーズさがあるかどうか
オイルダンパーシャシー接触していないか

アッパーカバー加工の際にアッパーアームの動きサスピンの動きに渋さがないようにすること、キングピン逆着けなどによるキングピンとナックル周辺のスムーズさの確保、ダンパー取り付け時の適切な締め付けなどによる各部のフリクションロスを低減させてできる限り滑らかに動作するよう組みます。

キャンバー角と減衰力調整をノーマルサスに近づけることでほぼ同等の走行性能を確保できるうえ、直進安定性は向上するように感じました。オイルダンパーのスプリングテンション調整用シムが1種類しか入っていませんので、必要な場合はφ4.2mのシムを用意する必要があります。

ビジュアルダンパー(見た目だけ立派で走行性能に付加価値がない)なんて呼ばれているパーツですが、なんとかと鋏は使いよう、なんて言う言葉もあります。即効性のあるパーツではありませんし、必ずいい効果があるパーツというわけでもありません(ほとんどのパーツがバランスの上に成り立つものですので、どのパーツにも当てはまることではありますが、特にいい方向に転じることが困難なパーツのひとつとは言えます)。じっくりパーツとセッティングを味わい楽しむ方向けのアイテムです。