JOURNAL du Mini-z & ★☆M

ミニッツカップファイナリストの備忘録ブログ。

フリクションダンパーディッシュの摩耗

セッティングのメインディッシュのひとつ、フリクションダンパーはメンテナンスも欠かせません。各部のビスのゆるみは頻度の高いマシントラブルのひとつですし、ダンパー効果を変化させる目的でディッシュ部分にオイルを注す方も多く、そんな場合はオイル汚れとオイルに付着するタイヤカスなどの汚れの洗浄もこまめに必要になります。また、名前のとおりフリクション(摩擦)を利用したダンパーなので各部が摩耗しますし、それによるフィーリングの変化も否めません。

今回はフリクションダンパーのディッシュの摩耗についてです。フリクションダンパーポストの摩耗については以前の記事「フリクションダンパーポストの摩耗」で書いていますが、ポストと常に干渉しているディッシュも同じように摩耗していきます。

未使用のディッシュは内径が3.0mmですが。。

ガタのあるディッシュを測ってみると内径3.5mmになっていました。

ディッシュとポストのクリアランスが大きくなってくると、フリクションダンパーの初期の効き方に影響が出てきます。コーナリングをはじめた時にポストとディッシュにクリアランスがあると、摩擦(フリクション)によるダンパー効果が得られないため、初期が強くなります。ステアリングの切り始めでマシンが動きすぎると、イン側に入りすぎてしまいますし、最悪の場合スピンモードに入ってしまうこともあります。安定したコーナリングには安定したダンパー効果を得ることが重要です。走行日が週末などサイクルが決まっている場合はメンテナンスもタイミングをそのサイクルに合わせて行うなど、コンディションを整えられるスケジューリングを立てるとよいかもしれません。

ちなみに、内径が大きくなってしまったディッシュにもまだ活路があります。

大きくなってしまった内径に合わせたスペーサーを入れる手法です。これは適当な外径のシムがないと出来ませんし、ディッシュを上下使用する場合は同じ内径に減ってしまっているディッシュが必要になりますので、組むことは容易ではありませんし、これでマシンを組み直した場合はパーツ構成が変わりますので、多かれ少なかれマシンの挙動が変わる(つまりセッティングをし直す必要がある)ことになりますが、再利用可能な手法として記載してみます。

上の写真は京商純正のフリクションダンパーにLMマウント用アルミフリクションダンパーステーを組み合わせた場合の例です。左がモーターマウント側(下)、右側がピッチングダンパー側(上)となります。この例ではフリクションダンパーステーの下から長いビスを通し、インナーチューブダンパーのスプリングステー(外径3.15mm)を使用し、内径の広がってしまったディッシュを組み合わせ最後にボールナット(ネジ穴が切ってあるもの。ここではMR-01用オプションパーツに付属しているボールナットを使用しています。)で固定しています。インナーチューブダンパーのスプリングステーは高さ4.5mmなので、通常のフリクションダンパーポストより1.5mm短くなりますので、その分をボールナットの下側が補うかたちになっています。

こうしたパーツ構成にはパーツのレパートリーとアイディアが必要になりますし、このためにパーツを新しく購入する必要が出てくると結果的にディッシュを買い替えるより高額になってしまう場合もあります。こうしたアイディアを出すことも楽しみのひとつ、と考えて組む以外メリットは大きくありませんので、基本的には同じパーツの交換をおすすめします。