JOURNAL du Mini-z & ★☆M

ミニッツカップファイナリストの備忘録ブログ。

Revolution BB

ベアリングはミニッツのパーツの中でも基本中の基本ともいえるオプションパーツで、MR-03 VEなど一部のシャシーにはプレインストールされているほどです。キット標準のプラベアリングに比して耐摩耗性・寿命が大幅に向上するうえ、接触抵抗も少なくなります。ただ、ベアリング内には金属どうしが接触しても摩耗しないようグリスが封入されており、これが転がり抵抗を生んでしまいます。それを改善するためにベアリングのオイルレス化をすることがベアリングのチューニングのメジャーな手法のひとつとなっていて、それに必要なケミカルもさまざまなブランドから多種多様なアイテムが発売されています。

Revolution BBはそんなベアリングチューニングのために用意されたアイテムです。このRevolution BBはベアリングのボールやケースなど金属の表面にコーティングを施すことで摩擦抵抗を大幅に低減し、さらに腐食を防ぎます。平面的に圧力や摩擦がかかる場所よりもポイントで負荷がかかる場所に適した組成であることもベアリングに適したケミカルといえます。そして、オイルではないため(Revolution BBはアルコールベースで、揮発して潤滑成分のみが金属表面にコーティングされます。)樹脂を侵すことがありませんので、ボールデフに使用する630ベアリングをRevolution BBで仕上げるとオイルによる樹脂の劣化からくるホイール割れがありませんし、樹脂製のモーターマウントにも負荷をかけにくくなります。こうした特性は樹脂パーツの多いミニッツには大きなメリットです。

使用方法もごくシンプルです。Revolution BBをほんの1滴をベアリングに注して、抵抗なく回るようになるまでベアリングを回転させるだけ。回転抵抗が激減するまで少し時間がかかりますが、回り出すとノイズや振動なく回転し続けるベアリングが出来上がります。ただし、闇雲に注して回せばいいというものではなく、用法・用量は遵守して使用します(注入量が多くなると皮膜が厚くなり、逆に回転抵抗が増えてしまいます。クリーニングおよび多く回転させることでリカバリー可能ですが非常に多くの時間を要することになってしまいますので注意が必要です。)。

僕のRevolution BBを使用したベアリングのチューニング方法は、

1:Revolution BB使用前にナフサ(ジッポーなどオイルライターの燃料として販売されています。2006年以降の純正ジッポーオイルは合成イソパラフィン炭化水素となっています。)を使用して脱脂し、ジグにベアリングを固定。

2:極細のノズルでRevolution BBを1滴だけ注します。

3:ベアリングを回します。はじめは「キュッ」というノイズや「ヴヴヴ」という振動がある場合がありますが、これがなくなる程度にベアリングを回転させます。このときのベアリングの回転時間は数秒程度です。

4:ジグからベアリングを外し、再度ナフサを使用してクリーニングをし、ジグにベアリングを固定。

5:ベアリングを回し、ノイズや抵抗なく回転し続けるようになるまで続けます。

の5ステップです。2度目のクリーニングの後でもベアリングが回ってくれない場合は4と5を1セット繰り返します(この段階でRevolution BBを注してしまうと抵抗が増えてしまいます。)。それでもダメな場合は1〜5をもう一度行います。2度目もダメな場合はそのベアリングの使用を控えます。

出来上がったベアリングを組み込んだフロントホイール・タイヤは数十秒回り続けるほど回転抵抗の少ない状態に仕上がります。皮膜は耐久性に優れていて、回らなくなってきた場合はクリーニングでコンディションが戻ることが多く、戻らない場合でもRevolution BBを再度コーティングすることで性能を回復させることができます。

VEモーターの軸受けにも520サイズのベアリングが使用されていますが、ここは高温・高負荷となるためオイルレスベアリングは向きませんので適宜オイルを注したベアリングを使用します。オイルはSyntheticがおすすめです。このオイルは完全合成油で樹脂を侵しにくく変質もたいへん少ない非常に優秀なオイルです。オイルレスベアリングに抵抗感のある方には、Revolution BBで回転抵抗の軽減を図ったうえでSyntheticを適宜注油されることをおすすめします。オイル粘度により無負荷時の回転時間は多少短くなりますが、走行時に負荷がかかった状態でも油膜が表面を覆い抵抗を軽減するうえ保護してくれますので、実際には回転抵抗は軽減します。

ジグには不要になったアクセルシャフトを使用しています。ベアリングを通してホイールナットで固定すると回転させても飛ばなくなりますので安心です。630ベアリング用にスペーサーを用意しています。

写真右の角瓶にはナフサが入っていて、蓋をして振ることでベアリングのクリーニングをしています。ナフサがベアリングに封入されていたグリスで白濁し、黒いダストが出ているのが分かります。

Revolution BBはアルコールベースのケミカルですので、使用後は密閉し日光の当たらない場所で低温保存することをおすすめします。

ほんの1滴で劇的な効果を得られるRevolution BB、ツールボックスにマストなアイテムです。