JOURNAL du Mini-z & ★☆M

ミニッツカップファイナリストの備忘録ブログ。

MZW502:アルミVEモータースリーブ

【効果】

本製品を装着することでモーターの発熱を抑えます。

【説明】

VE仕様のAWD、MA-020VEリリースに伴い、モーターの発熱による各部へのダメージを軽減する目的で用意された本製品ですが、品番はAWD用ではなく、レーサー用のMZW品番です。

ヒートシンクとして開発されたアイテムですが、スリットなどの加工がなく重量増加となるため、個人的にはリアグリップの薄いマシンのトラクション確保のためのウェイトとして使えないかと期待していたアイテムでした。本製品を装着したVEモーターは樹脂製スリーブのモーターよりも4.4g重くなります。ミッドシップのマシンの場合、モーター搭載位置が車軸の斜め上にくるため、モーターの重量増加はトラクション確保に貢献してくれるはずです。

試走は2014年ミニッツカップ九州大会:オープンクラス優勝車のFerrari 458 GT2(アルミLMマウント)と、2013年ミニッツカップファイナル:オープンクラス9位の787B(アルミMMマウント)。安定したトラクション確保に定評のあるボディとトラクションの確保が困難とされるボディでの比較です。両車とも前日のWMLでのレース、金曜ウレタンレース(金ウレ)で同程度のベストラップ、アベレージをマークしたマシンです。

低グリップでもトラクション確保ができている、セッティングの出ている状態のFerrari 458 GT2は、リアのトラクションが強くなりすぎてコーナリングの初期がなくなり、リヤの限界値が高くなりますが、タイヤがグリップを失う瞬間が唐突に訪れます。その挙動はコーナー後半で現れるので、コーナー後半に急に巻くような動きが出ることがあります。リヤの限界値が高いうえ、コーナリングの初期がマイルドになるのでコーナー進入速度が速くなりがちで、タイヤの限界とのバランスがとりにくい印象です。それに比して787Bは、スピンモードに入るタイミングが遅くなり、よりなめらかにコーナリングできるようになりました。最終的にはFerrari 458 GT2は樹脂製スリーブ、787Bはアルミスリーブで決着しました。

クルマはバランスです。ノーマルよりオプションがよい、とか樹脂製よりアルミ製がよい、とか、そういった安直なものではありません。今回のアルミVEモータースリーブは、場合によりリヤトラクション確保が困難なクルマの一助になり得ることは感じられました。ウェイトのように重さの変更はできませんが、モーターマウントにウェイトを切り貼りするより見映えがすっきりしますし、熱によるスリーブの変形なども気にしなくてよいですし、放熱性も向上します。

今回のインプレでは787Bに関してはほぼセッティングを変更せずにいい結果を得ましたが、基本的にパーツを変更したり追加したりする場合はセッティングの見直しを前提に行う必要があります。パーツセレクトとセッティング、そしてタイムとレスリザルトを結びつけながらクルマと、友人と過ごしていくのがRCの醍醐味かなと思います。