JOURNAL du Mini-z & ★☆M

ミニッツカップファイナリストの備忘録ブログ。

MZW414:サークリップ&スペーサーセット

【効果】

本製品のスペーサーを装着することで、リヤサスプレートのピッチング方向の硬さとリやダンパースプリングのテンション調整が可能となります。

【説明】

リヤサスプレートのスペーサーが2種、ピッチングダンパーのスプリングテンショナーが1mmk刻みで4種セットになっています。パーツ構成のとおり、サスプレートとピッチングダンパーというシャシー本体とモーターマウントを繋ぐサスペンションのピッチング方向のテンション調整に使用します。

パーツというのは、ある一定のポイントのみに効く、というものはほぼありません。このパーツも効果にあるようにピッチング側の制御に使用するパーツですが、ピッチング側のキャラクター変更は加速や減速はもちろん、コーナリング特性も変化させます。たとえば、コーナー進入時にスロットルオフした場合、マシンは前傾しようとしますが、ピッチング側の挙動変化が少ない場合クルマは同じ姿勢で前進し続けようとします。つまりスピードが落ちにくくなるため、同じポイントでスロットルオフしたピッチング側の挙動変化の大きいクルマに比してコーナーへの進入速度が速くなり、この場合クルマは当然曲がりにくくなります。また、前後の荷重移動もタイムラグが少なくなるため、ステアリングブレーキの効きや加速感は強く感じられるようになります。限界点を越えた硬いセッティングになるとグリップを適切に路面に伝えられず、ホイルスピンしやすくなったりもします。この場合、立ち上がりのスロットルオンでスピンモードに入ったりする場合もあります。こうした特性はサスペンションが柔らかいセッティングが低グリップ向きだと言われる所以です。

このオプションパーツにはピッチングの制御のためのパーツが2種用意されています。

まず、ピッチングダンパーのスプリングスペーサーですが、これはスプリングテンションを変更することでピッチング特性を変化させるものです。スプリングスペーサーを入れるとプリロード(前もって一定荷重をスプリングにかけている状態)がかかり、プリロード以下の入力に対してはスプリングが反応しません(伸縮しない棒と同じ。)。一定以上の路面ギャップのみを吸収する、加減速などの前後荷重移動に対する反応を変更するといったセッティングが可能になりますが、スプリングテンショナーを入れることで車高が変わる場合も多く、車高の変化による加減速はもちろんコーナリング特性の変化やスプリングテンションとそれに合わせたダンパーオイルの設定との兼ね合いなど、プリロード量の設定はかなりの高等テクニックです。そのため理論よりもトライ&エラーでセッティングすることが多くなる箇所かもしれません。

次に、サスプレートスペーサーですが、こちらはピッチングダンパーの特性を変えることなくピッチング方向のテンションを強くすることができます。さらにはプリロードのように一定荷重までは効かない、といった特性もありません。ただし、このセットに付属のスペーサーは2種類ですので、ノーマルと合わせてもスプリングテンショナーよりも設定範囲が狭くなります。ピッチングダンパーのテンションが低かったり、サスプレートが柔らかいセッティングの場合は車高も変化しますので、スプリングスペーサーと同様、車高変化による特性変化が表れる場合も多くなります。

セッティングやチューニングというのは、その言葉の意味のとおり、クルマのバランスを整える作業です。セッティングの際は全体を見据えたパーツ構成を考える必要がありますので、パーツひとつでバランスが取れることばかりではありません。パーツはメリットとデメリットが表裏一体です(あるときにはメリットがデメリットに、デメリットがメリットになったりします。)。パーツの違いを感じながら、楽しみながら自分のドライビングスキルに合わせたセッティングを探してみて下さい。